こんにちは、紆余曲折ありつつも絵を描き続けているこぼれです
「絵がもっと上手くなりたい!」と思って調べていると、
上手くなるための近道はとにかく描くこと!
描いて描いて描きまくれ!
と書かれているのをよく見るんじゃないかなと思います
そりゃもちろん、絵を描かないと始まらないってのは当たり前なんですが……
できればラクに上手くなりたい!なんて思いがチラつく人は、
たくさん描くだけで上手くなるわけじゃないだろ~
と、別の方法を探し始めては特に行動もせず、ただ時間だけが過ぎていく状態に陥っているのではないでしょうか
あまりにも私
「描かないと上手くならないのはなんとなくわかるけど、どうして描くと上手くなるの?」
という、ちょっぴりひねくれた心の疑問
そのモヤモヤした思いを、一冊の本がスッと納得させてくれたので、ここで紹介したいと思います
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
マシュー・サイド (著), 有枝 春 (翻訳)
「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」は、イラストとはまったく関係のない、失敗についての本です
この本を要約すると、
- 何事も、まず行動してみないと先に進まない
- 失敗は改善のチャンス
- だから失敗を恐れるな!
という感じ
とにかくやってみて、失敗を元に改善していけば、必ず良くなっていくよという内容です
むしろ、それしか方法はないんだ!と強く訴えかけてくる本です
もっと詳しく知りたい人はぜひ本を読んでみてね
この説を納得させるエピソードは多々掲載されていますが、もっともクリエイティブ関連の人が納得しやすいエピソードが、
本文中で引用されている「アーティストのためのハンドブック 制作につきまとう不安との付き合い方」という本の、とある実験結果です
ある陶芸クラスで生徒を2グループに分け、一方には「作品を粘土の量で評価する」、もう一方には「作品を質で評価する」と告げました
粘土の量で評価されるグループはたくさんの作品を、質で評価されるグループは自分で最高だと思う作品を提出する
単純に考えれば、「作品の質」を求められたグループのほうが、よりよいものを作れそうですが……
実際の結果は、2グループすべての作品の中で、一番質の高い作品をつくったのは「作品を粘土の量で評価する」グループのほうだったのです
どうでしょうか?
私はこの実験結果を見て、モヤモヤが一気に晴れました
- 質を求めていなくても、数をこなせばおのずとクオリティはあがっていく
- 逆に、頭で考えているだけでは上手くなることはない
まずは手を動かし、数をこなしたほうが上手くなるということがこの実験でしっかり立証されているんです
本当に単純なことだけど、頭で色々考えるよりも、まずは描いて試してみないと自分の足りないものに気付けるわけがないんですよね
「絵は描けば描くほど上手くなる」という、言うなれば当たり前のことに、更にこの実験結果が加わることで、ようやく私の中で「そうか、そうなんだ」と納得することができました
上手くなるには描きまくれ!の意味は、「たくさん描いて失敗をしなければ、上手くなることなんてできない!」ということ
描いて課題を見つけて、また描いて試す!トライアンドエラー!
ちなみに……
本文中にも書かれていますが、日本人は失敗を許さない環境におかれていることが多いです
どんな場面においても、「ミスは恥ずかしいこと」「失敗は絶対に許されない」という雰囲気ができあがっていて、
- 描いた絵を見せて、へたくそって言われたら……
- 指摘が怖いから、完璧にできるまで人には見せたくない
- 1つもいいねがつかなかったら恥ずかしいからSNS投稿はやめておこう
などなど……行動する前に、「失敗したらどうしよう?」と思って何もできなくなってしまう
その結果、成長するチャンスを逃してしまっている人がたくさんいると思います
周りが気になって行動できないのはよくありますね…
そんな失敗が怖い私達でも、今回学んだ「描いた数だけ上手くなる」「失敗は改善のチャンス」という事実を知っているだけで、少し行動のハードルが下がった気がしませんか?
「課題を見つける」という意識で絵を公開すれば、もし自分の中で失敗だと思うこと(反応が全然もらえなかった…など)があっても、それは貴重なデータになります
失敗を失敗と捉えるのではなく、「もっとできることがあった!」と、見つかった課題を次の絵に活かせる
そんな風に思うと、ちょっとだけワクワクしてきませんか
ぜひ失敗への見方を変えて、楽しく上手くなっていってください
失敗を恐れるなかで、特にSNSへの投稿なんかは、人と比べたり数字だけを見て苦しくなることも多いと思います
でもこれを、自分の絵を良くするために投稿するんだ!という考えに変えられるだけで、抵抗感がほとんどなくなります
ガンガン描いて改善点を見つけることに注力すれば、SNSも楽しく活用することができますよ
周りのすごい人を見ても、「自分がだらけている間にたくさん描いてきたんだな」と素直に思えれば、「だからこんなに上手いんだわ~」としか思わなくなりますよ
今回読んだ「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」は、「せっかくAmazonプライム会員なんだし、特典の無料で読める本でも読むか~」と軽い気持ちで読み始めた本でした
まさかその流れで絵に対するメンタルが癒されるとは思わず、なんでも読んでみるもんだなぁとしみじみ思っています
この本はとにかく、
失敗は決して「厄災」なんかじゃない
そこから学ぶことが大事なんだ!
ということを、実際に起きた事故などを例に強く訴えてくる本で
とにかく強く印象づけるために、過去の重大事故(医療事故や航空機事故)を取り上げているので、読んでいて気持ちがしょんぼりする部分も多々あります
ぶっちゃけ、無意識に夢に出てきちゃったりするほどです
でもその本気度だからこそ、失敗に対する今までの凝り固まった考えを覆すことができたんじゃないかと思います
私自身はイラストのことに置き換えながら読みましたが、失敗に対する捉え方は様々な場面で役に立ちます
なんかちょっと自分を変えたいなーとか、チャレンジしたいことがある!という人はぜひ、「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」読んでみてください
アマプラ会員なら無料で読めるしね!
それと……
例として出てきた実験が載っている「アーティストのためのハンドブック 制作につきまとう不安との付き合い方」という本ですが、翻訳がびっくりするくらい低評価で残念なレビューばかりになっています
内容自体はクリエイターにとってかなり有益なことが書いてあるそうなので、英語に自信がある人は原本を読んでみるといいかもしれません
私はちんぷんかんぷんでダメでした